湖や池にはそれぞれの生いたちがあって興味深い



(スコットランド)
 こんどは湖の風景です。 それもネス湖。 場所は英国、スコットランドの北のはずれになります。 ロンドンから夜行列車で8時間くらいかかってインバネスに到着する。 そこから目とハナのさき。 位置的にはそんなものです。  ネス湖は確かに湖なんですが、そこから流れでるのは川じゃなくて運河。 カレドニアン運河といいます。 これで北海とつながっている。  もともとは地面の裂け目のようなところで海とつながっていたのが、やがて地盤の隆起やらなんやらで海から離れて湖になったという説明を聞いた。 地図で見ますと、なるほどスコットランドの北部は山が斜めに筋をなしていて、当然谷間も同じ方向に筋状に切れ込んでいる。 そんな裂け目のひとつくらい海につながっていてもおかしくない。 だからやたらと細長い形をしています。 説得力のある話です。  そんなネス湖を一躍有名にしたのが、ほかでもないネッシーと呼ばれる謎の動物。 目撃憚は沢山あるのですが、ホントにそんな生き物がいるのかどうか、いまだに真偽のほどはわからないという。 水深が深いのだそうだ。  ところで、ネス湖見物は地元のB&Bの主人から教えてもらった遊覧船を利用しました。 この写真も遊覧船から撮ったものですが、その船がどうにも海の漁船なのだ。 湖の遊覧船というと、白鳥を模ったものや、芦ノ湖名物の海賊船のような船を思い浮かべます。 またはセーヌ川を行き交うバトームーシュ風のガラス張り。  ところがこちらはいかにも地元の漁師が使い古したような形の、素朴でいて頑丈、しかし乗り心地は決してよくない。 そういうシロモノでした。 これもここが元々海だったという事実や現在でも海とつながっていることを物語るようで、印象的でした。  なによりも乗客が私ひとりだった。 はなしの種になると思って、わざわざこんな辺鄙なところまで脚をはこんだのですが、はたしてネッシーに出会うわけでもなく、この上なくのどかで静かに休日を楽しむことのできた、スコットランドの風景でした。

 GoogleEarthの位置情報〔KMZファイル〕

未明湖(中国・北京)
 北京大学構内の池です。 東京大学本郷キャンパスにある、三四郎池のようなものだと思えば行ったことはなくともなんとなくイメージできるんじゃないでしょうか。  奥のほうの建物はみな大学の建物です。 北京を訪れたとき、いろいろお世話になった科学院の先生が、北京大学でも講義をもっていて、そんな関係から先生の顔パスで校内に入れてもらったときに撮影したものです。  北京の観光名所のひとつに頤和園(いわえん)というのがあります。 故宮からみますと北西の方角になると思います。 清朝末期、西太后が作らせた広壮な庭園で、その中央に昆明湖という池があります。 その昆明湖を模して作られた池であるとのことです。 だから真上からみると形は昆明湖を同じなのだそうだ。   池の名前も昆明をもじって未明としたそうですが、これには学生の皮肉が込められていて、日清戦争の戦費に当てるべき国費を、頤和園のい造営などにつぎ込み、清朝を滅亡に追いやった不明な行動を批判してのネーミングであったという。  池そのものは、大学構内の池としては大きめかなと思う程度の、たいした特徴もないものですが、その名の謂れや近くの頤和園との関連やらで、話題性があるように感じ、あえてここで取り上げてみた次第です。  北京大学にはこれ以外にも赤門そっくりの門があったりで、どことなく東大に似たイメージがありました。 

 GoogleEarthの位置情報〔KMZファイル〕

北部自然保護区(シンガポール)
 これは一昨年のシンガポールです。 子供達を連れて訪れたシンガポール動物園から眺めた、北部自然保護区です。  シンガポールは小さな島に二百数十万人の人口を抱える、いわば人口過密の国なのですが、そうであるだけに無秩序な開発を許すと国土はたいへんなことになってしまう。 そんな認識から政府が計画的に地域ごとに利用計画を定めてちきんと管理している。   そういった知識を、東京からの機中でにわか勉強しました。 国をあげての管理が行き届いている様子は、空港に到着したそのときから感じていました。 ターミナル内部の整然と片付いた様子もしかり、空港から市内に向かう電車から眺めた街路しかり。  動物園に来るにはタクシーを利用しましたが、来る途中の高速道路についても、ガードレールが壊れた場所など見かけないし、熱帯の気候なのに道路周辺の植樹帯がきれいに刈り込みされている。 つまり手入れがよくできている。 ともかく几帳面なまでにきちんとしている。  土地利用の計画もさぞや徹底しているのでしょう。 ここへたどり着くまでに自分の目で見た状況を考えれば、容易に想像のつくことです。  動物園自体がこの北部自然保護区の中にあるのですから、園内から簡単に保護区の様子がわかります。 自然を保護するのですから下草を刈り込むようなまねはしていません。 多分、住宅や工場などの立地を制限し、区域内に流れ込む水路などへの排水規制を徹底するなどの措置を講じているのでしょう。 一見すれば手付かずの土地にしか見えません。 もともとこの島はこんな風景が広がっていた。 そういうことをいつまでも保存したエリアを残す。 それだけかもしれません。  狭い島国で、高温多雨の気候の国ですから、放っていてもすぐに水たまりや池ができる。 自然条件から言って、水面の多い、水面が身近なお国柄なのだと私は理解しています。 その水面を無闇に汚さずにのこすこと。 この国の政府がそのために払っているエネルギーと情熱のようなものを感じる風景です。

 

 

 

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