ヨーロッパには多彩な水の色がある



エルベ川(ドイツ)
 いきなり北ドイツです。   エルベ川の川面です。 北ドイツ最大の都市であり欧州屈指の貿易港を擁するハンブルクの上陸桟橋から河口方向を撮った一枚です。 と言いましても、実際にエルベ川が北海に注ぐのはこの場所から何十キロも先になります。 それでも貿易港なのです。 確かに外洋を行く大型のコンテナ船が行き来する川です。 日本にこんな川はありません。  ちょうど雨上がりの陽がさしはじめたタイミングで撮ったので、空はまだ雨雲が多く残っていて、前方のクレーンたちが暗いシルエットになっています。 戦前、プロイセン帝国が欧州を席巻した時期がありましたが、そのころの大帝国の経済を支えた自信が感じられる。 そんな雰囲気をもった街であり、川面に空もそのころの匂いが漂ってくるような気がしました。  ここを遡ると、先にはポツダムやベルリンという歴史を刻んだ大都市が控えています。 欧州での度重なる戦火の舞台になった場所でもあります。 このときは、歴史の勉強をしてこなかったことを悔やみました。

 GoogleEarthの位置情報〔KMZファイル〕

エイボン川(英国)
 のどかな川の風景です。 堤防がありません。  シェイクスピアの生まれた地とされる、ストラットフォード・アポン・エイボンでの一枚です。 エイボン川のほとりのストラットフォード、という名の街の郊外です。 イングランドの真ん中へんにある小さな街です。 興味のある方はなるべく詳しい英国の地図で探してみてください。 バーミンガムのちょっと南にあります。  英国は島国なので、あまり大きな川はありません。 あのテムズ川でもロンドン市内で隅田川のような規模ですから。 ここ、エイボン川はそうした規模の川よりさらに小さい、セブン川という川のそのまた支流になります。 セブン川というのは、イングランドの真ん中あたりから発して西に向かって流れ、ブリストルやポーツマスのあたりで大西洋側に注ぐ川です。   ここであえて一枚写真を撮ったわけは、先にも言いましたように堤防と呼べるものがないからです。 写真はエイボン川の遊覧船から民家の庭を撮ったものです。 写っている家では見られませんが、こうした川沿いの民家では、庭先のエイボン川に自家用のボートを繋いでいる家が多く、川が日常の交通路にもなっている様子がわかりました。  こんなことの出来る理由は、なんと言っても洪水がないからです。 欧州の中でも英国は雨の多いことで知られていますが、観測された降水量はたいしたことがありません。 降り方が日本とはまるで違うというのです。 日本のように台風が来て一度に半年分の雨を降らせるようなことはありません。 しとしと小雨がよく降る。 そういう降りかただというのです。 だから出かけるときに傘は必需品ですが、川の水かさが増してあふれるような心配はほとんどない。 だから川と民家を隔てる堤防などは要らない。 こういう理屈です。  そんな英国の気候がつくった、平和でのどかな風景に思わずシャッターをきりました。

 GoogleEarthの位置情報〔KMZファイル〕

ライン川 (ドイツ)
 ドイツ国鉄自慢の疾走するインタシティーからカメラだけだして、ファインダーをのぞきもせずに撮ったライン川です。 川、国道、そして線路が、狭い平地に平行してはしる区間でした。  ライン川で有名なラインくだりというやつには乗っていません。 ミラノかどこかから来て、ドイツを南北に縦断し、オランダ・アムステルダムまで行く国際列車に乗ったのは途中のマインツからでした。 ここからライン川に沿ってオランダまですすむのです。 途中にはコブレンツ、ボンなどの旧い街が並んでいます。  写真ではあまり川の対岸が写っていませんが、このあたり(たしかコブレンツのあたりだったと記憶しています)でも広い川幅があり、かなり大型の船が行き来していました。 古くからの物資輸送の動脈でもあり、現在なお現役なのがわかりました。  日本に次いで世界第三位のGDPをほこるドイツ(当時は西ドイツだった)を還流し、オランダにいたる。 日本では考えられない国際河川です。  その流域の産業規模がどのくらいなのか統計は知りませんが、そうした経済活動をもつ地域を流れ下った先のオランダでは、この水を飲料水として利用しているといいます。 どんな処理をして口に入れるのか、ドイツの工場排水から下水の処理水にいたるまで、どれほどの汚濁物質が含まれるか、想像にあまりあります。  下流でオランダの国民が飲むのだからということで、古くから排水には細心の配慮をしてきたはずです。 川面の風情や美しさを愛でる以前に、水資源の保全や水環境対策の乗り組みに思いを馳せることが先にたった風景でした。

 

 

 

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