←TOPイメージ 現在のところ "最新鋭機" エアバスA380の主翼とエンジン

 



 

 

 

場合によっては飛行機より速い(2)

 欧州を中心に列車の旅をよくしました。 もともと列車や駅に関心があったせいも手伝って話題が尽きません。  ここでも速い順のようになりました。 


赤い矢号(ロシア)
特別な存在らしい。 モスクワ/レニングラードを一晩かけてはしる寝台列車です。 赤い矢号と呼ばれているらしい。 ソ連邦の国章が車体中央についているが、これも安っぽいペイントではなくて厚味のあるレリーフになっている。 いかにも特別車両の雰囲気である。  共産圏の列車というのはどういうわけか深緑色をしている。 ソ連邦、中国、北朝鮮、東ドイツもそうだ。 この分ではチェコやルーマニアなどもみんなそうなんだろう。 そして形もほとんどおなじ。 例外を見かけたのは、ベルリンに向かう途中の、旧・東ドイツの車両基地で、ダブルデッカーのやつが並んでいた。 ただし色は例の深緑。  そんななかで紅色というのは特別である。 車体の色からして特別なのだ。 直接見てはいないが、シベリア鉄道のロシア号やシベリア号も特別の色なのだと聞いた。 初めて乗車する列車がこういう特別版であることに、なんとなく西側観光客への特別扱いを垣間見た思いだった。  実は同じような思いを、この2日前に体験している。 モスクワの最大規模の空港と言われる、ドモジェドボ空港に着いたときである。 タキシングを終え、所定のスポットに停止した機内は、降りる仕度で機内は騒々しくなっていました。 私も頭上の物いれから荷物を出してひざに置いた頃だった。  まだドアも開かぬそのタイミングで、チーフパーサーとおぼしき人が私だけを手招きしている。 荷物を持って来いという素振りだ。 そのとおり前に出ると、私だけ先につながったばかりのタラップから降り、これまた私だけ搭乗バスに乗せてターミナルビルに運んで行く。 なんと私の預けた荷物だけすでに置いてあった。  すさまじい特別待遇である。  特別な車両で、いざ発車してみると恐ろしく揺れが大きい。 車両の出来が悪いわけではない。 軌道(線路)の状態が最悪なのだろう。 日本で言えば50mおきにポイントを通過するかのような動揺が一晩つづいた。 暗くてよくわからないがあまりスピードは出していない(出せない)ようだった。 モスクワ/レニングラード間の距離がわからないが、昼間だったらイライラしたんじゃないだろうか。  寝台のコンパートメントは、狭くはないが効き過ぎの暖房で暑かったこともあって、なかなか寝つけなかったことを憶えている。

 


食堂車(ロシア・サンクトペテルブルク)
PECTPAH、レストランと読みます。 意味もレストラン。 食堂車です。 中央に共産党の国章が掲げてあるのでこれがソビエトの列車であることがわかります。  国際列車です。 サンクトペテルブルク(当時はレニングラード)からフィンランドのヘルシンキに向かう国際列車で、これを始発のフィンランド駅で撮影しました。 さすが西側へ向かう列車なので小ぎれいに整備されています。 国内の列車はもっとくたびれていて汚れています。  ソ連国内は軌道(線路)のメンテナンスがいい加減らしくてかなり揺れましたが、国境の駅を通過し、フィンランド領内にはいるやいなや、猛然とスピードを上げます。 揺れが格段に少ない。 線路の状態がいいことがすぐにわかりました。 機関車も付替えたようです。   フィンランド側の国境の駅ではかなり長時間の停車時間がありました。 自分の出国手続きが済むとすることがなく退屈なので、ホームから見えた構内のレストランに入ってみました。 そこで軽くお茶を。   誘ってくれたのは始発から隣に座っていたエストニア(バルト三国のひとつ)から来たというスポーツ医学を専門にする若いお医者さんでした。 なんでも出国の審査で、腕時計を没収されたとか言ってがっかりしていました。 なにか審査官に言いがかりのようなことを言われたらしい。  旅行を続けるうえで時計は必需品です。 それを取り上げるような言いがかりと言うのを聞いてみたいと思いました。 なにやら高級な時計で、税関に引っかかった(貴金属の持ち出し制限のような規制があるらしい)。 そんなことを言っていました。  私にとって、列車で国境を通過するのはこれがはじめてのことでした。 車内での出入国手続きももちろん初めて。 新鮮なおどろきがいつまでも離れない一枚です。

 


機関車(フィンランド・ヘルシンキ)
寒い国の機関車に共通する雰囲気。 フィンランド国鉄の機関車です。 ヘルシンキ中央駅にて。  無骨な鉄のかたまりに見えます。 そのくせ丈夫で馬力のありそうな雰囲気があります。 最近、旧・国鉄時代から機関車を仕事にしてきた方からいろいお話を聞く機会がありました。 私の父親もそんな一人ですが、この方はJR貨物になってからも現役を続けておいでのベテランです。  機関車は、多くの客車や貨車を引っ張る役目があるので、それ自体はおそろしく重たい。 鉄のかたまりに見えただけではなく、ほんとにそのくらい重くしてあるのだそうだ。 必要以上に重くしたら効率が悪いではないかと素朴な疑問を投げましたが、一笑に付されました。 機関車の場合、重たくないと車輪が空回りして引っ張れなくなるのだ。  そのときの説明では、現在JR貨物にある現役の機関車で最高の能力のものは、牽引重量2000トンクラスなのだという。 貨車はそれだけでも何十トンもの自重がある。 荷物を加えれば100トン位になってもおかしくないといいます。 だから2000トンクラスの機関車というのは、荷物を満載した貨車を20両くらい楽に引っ張ることが出来る。 そういう能力なのだそうだ。 客車はそんなに重くないという。 荷物が人間ですから、ぎっしり満載できるものではない。  写真の機関車がどんな能力なのかは知るよしもないのですが、十何両もの客車を力強く牽引してきた、その馬力を体感した直後の乗客にとって、実に頼もしい機械に見えました。  加えて、寒い地域で見る機関車には物理的な能力とは別の力強さ、頼もしさを感じさせる、そういう雰囲気が漂っているように思えました。 無粋な機械ではありますが、欧州では機関車をよく見かけます。  そんな仲間の代表として取り上げてみました。

 

 

 

TOP

 

Copyright 2006 TTWWTP/www.oiina.com/ All Rights Reserved